人工透析治療をできる限り安全に実施するためには、患者さんの体の状態を把握するための定期検査が欠かせません。透析の際に行うべきものや、患者さんの状態に応じて行うものなど検査項目は多数に及びます。
その中でも、透析治療において検査のベースとなるのが、体重や血圧の測定、血液検査です。
透析治療を始める際には、まず「ドライウエイト」と呼ばれる透析時の目標となる体重値を測定します。透析治療はこのドライウエイトを基準にして行われるため、必ず治療の前後で体重測定をしなければなりません。
また、透析中は血圧が下がりやすくなりますので、血圧の変動を確認するために治療時の測定が必要です。血液検査は週に2回ほど行うのが一般的で、採血をして透析の効果や栄養の状態を確認します。
これらの他に、定期的な胸のレントゲン検査、心電図検査、心エコー検査、画像検査など、全身状態を確認するための検査を行います。
見慣れない言葉や数値が並ぶ検査結果。初めて透析をする患者さんにとって、数値の見かたがよく分からないという方も多いのではないでしょうか。
すべてを把握するのは難しいかもしれませんが、自己管理のためにはある程度知っておくことが大切です。検査の数値の中でも、代表的な項目と参考値を紹介します。
人工透析治療では、血圧計や体重計、心電図検査装置などの測定装置を使うと同時に、血液透析装置を使って体内物質の数値を確認する方法があります。
血液透析の機器には、患者さんの異常をいち早く察知し警告を鳴らしてくれるもの、除水量等のコントロールをおこなってくれるものなど機能は多様です。
ナトリウムやカリウム、クロールなどの濃度や浸透圧の状態など、安全性を確かめるためには透析液計測機器を用います。
また、これらの透析治療機器を監視するためのシステムを導入している病院もあります。患者さんがより安全に透析治療を受けられるよう工夫がなされています。
透析治療における定期検査は、患者さんの安全の確保と効果的な治療のために非常に大切なもの。検査数値が悪化してしまうと身体の不調を引き起こし、最悪の場合は死につながることもあります。
また、検査をすることは合併症に対する早期発見や早期治療につながります。これらのリスクを回避するためにも、日々行っていく身体の検査は非常に大切なものなのです。
透析治療と関連した必要な検査を、適正な頻度でしっかりと行って治療中の身体を管理していきましょう。
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